【 靴 原 病 】

耳慣れない言葉ですが、文字通り靴が原因の「病気」のことです。外反母趾やハンマートゥといった足指の異常が、一般によく知られていますが、それだけではありません。間違った靴を履くことにより、疲労骨折や運動靴皮膚炎、血行不良や不定愁訴等がおこり、健康に害を及ぼすことになります。これが「靴原病」なのです。1988年の第二回靴医学研究会(石塚忠雄会長)にて、アメリカのロッシュ博士が「子どもの足は成長過程にあるので、靴に気をつけないと、様々な障害を誘発し、一生苦しむような問題につながりかねない」と強調されたように、児童生徒の靴選びは非常に重要なことなのです。
かかとがしっかり固定して5本の指が動かせる靴が、足の筋力、足指の握力を強くし、立派なアーチを作り、足の健康な成長に欠かせない条件です。

 
児童生徒にも、足指の変形が
ふえています

生体の骨はとても柔らかく、外部よりの圧力によって容易に形を変えてしまいます。足の形に合わない、つま先の狭い靴や、小さな靴などを履くと、母趾等の足骨は簡単に変形してしまいます。最近、外反母趾や内反小趾が、小学生にも多く見られるようになりました。重要な二趾が変形し、本来の機能が発揮できなければ、著しく、運動機能が損なわれることになります。


児童生徒のシューズは、つま先部が広く、5本の指が自由に動かせることが大切です。
足の痛みを訴える児童生徒が、
急増しています

走ったり飛び上がったり、運動をすると、足には体重の何倍もの衝撃がかかります。コンクリートからは約15倍の衝撃が跳ね返ってくるとも言われています。足の骨は着地時の破壊的衝撃により、目に見えないミクロの疲労骨折をしています。疲労骨折には自覚症状が無く、足を休めることで自然と治ってしまうのですが、これを繰り返すことによって、ある日突然ひび割れが神経まで達し痛んだり、骨折したりすること(セーバー病)があるのです。

コンクリート社会の児童生徒のシューズは、着地時の衝撃を緩和出来ることが大切です。
   
足アーチが健全に形成されない児童生徒が
増えています
足のアーチは成長と共に発達していきますが、足アーチ未形成の子どもや足指が接地しない子ども達が増えています。足や足指の運動が不足すると、筋肉が衰え足底のアーチが崩れ、土踏まずが未形成の扁平足になります。足底アーチが健全に形成されないと、正しい歩行=「アオリ足歩行」が出来ず、身体の成長にも影響を及ぼします。

児童生徒が正しい歩行機能を身につけるためには、足に合ったシューズで、足指が十分運動出来るゆとりがあり、足指の曲がる位置で屈曲するシューズを選ぶことが大切です。
通気性の悪いシューズによる皮膚炎が
多くなっています

運動すると足温は上昇、発汗により湿度も90%以上となります。運動を止めると汗の水分で足が冷やされ、皮脂の分泌が止まり、足裏の乳化膜は酸性(殺菌力)を失います。この繰り返しが皮膚炎を誘発しているのです。靴内気候が悪化すると、皮膚炎ばかりでなく、疲労、運動意欲の減退や、ホメオスタシス(身体恒常性)にも影響が出ます。


皮膚炎予防や疲労軽減には、通気性・吸湿性にすぐれたシューズを選択することが大切です。